2位でもいい、本当の理由
- 2019/8/2
- 自己成長
今回は、2位でもいい、本当の理由をお話しさせていただきます。
それは、順位という地位に価値があるのではなく、「2位じゃダメだ」という、ご自身の理由に価値があるからです。
「世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?」。
この発言は、2009年11月13日、*民主党政権下に内閣府が設置した事業仕分けの文科省予算仕分けの際、次世代スーパーコンピュータ開発の要求予算の妥当性を問う時の蓮舫氏のものでした。
この発言について、ノーベル賞・フィールズ賞を受賞した5人の科学者が記者会見で「研究は1番でないといけない。“2位ではどうか”などというのは愚問」と批判し、私のような庶民でも「いや、2位はダメじゃん」とツッコミを入れたことをよく覚えています。(*参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%93%AE%E8%88%AB)
このように、どうしても“1位のもの”に注目が集まり、補助金などのサポートが集まり、影響力が与えられるという現代社会の構図は、「1位でないといけない、2位じゃダメ」という誤解を与え続けてきた気がします。
少し、私の経験をお話しさせていただきますね。
私は、感情セラピストでもありますが、オーストラリアはケアンズで、そろばん塾を運営しています。2012年4月に開業し、今年で7周年を迎えました。生徒は、約15カ国のバックグラウンドをもつ、幼稚園児から高校生で、珠算・暗算・高校数学を指導しています。
現在、小学2年生のトム君(仮名)が在籍しています。彼は、競争心が高く、他の生徒の進捗をとても気にして、追いつけ追い越せで練習しています。特に、お友達と同じ教科書の同じページを練習しているときは、どちらがはやく課題を終えたか、どちらがよく点数をとれているかと、ずっと目を光らせています。彼がお友達よりいいパフォーマンスをしたときは、大いに喜び、自身を誇りに思い、大満足している様子が伺えます。そして反対の状況になると、とても悔しがったり、落ち込んだり、リベンジを誓ったりと、他者との優劣に対して非常にこだわっている様子が伺えます。
指導者の立場としては、そろばんのスキルがよく身について、嬉しい面もあります。しかし、「優位にたつこと=価値がある」という方程式ではなく、「優位にたちたい自分自身の理由=価値がある」という方程式に気づいて欲しいと心から願っているのです。
トム君が他者より優位にたちたいと思っている理由は、お母さんに褒めてもらいたいから。つまり、“お母さんの愛を確かめたい”からです。(※今回は、彼のお母さんが「優位にたつこと=価値がある」という方程式を使っているかもしれないことは、少し横に置いておきたいと思います)。
“お母さんの愛を確かめたい”という理由があるから、彼は2位じゃダメだと思っているのです。その理由が、何よりも価値のものだと、彼自身が気づき、認めたとき、彼は大きく成長することでしょう。
1位を目指す志と、今のご自身のプロセスは決して間違っていません。
ご自身の、「1位でないといけない、2位じゃダメだ」思う理由はなんですか?その理由は、ご自身が生きる上でエネルギー源となり、愛あふれるものになっています。どうぞ、その思いをご自身で抱きしめてあげてください。そして、ご自身の価値を認めて日々を生き、「2位でもいい」と心から言えたとき、他者の成功も心から祝福できるでしょう。
感情セラピスト・ウォリス 依子