
ある感情セラピーの体験会で、私の謎が解けたお話です。
12年前、住み慣れた地元群馬県から、転勤で山形県へ4人家族で引越してきました。
現在、長男(22歳)は近隣で1人暮らしをし、夫と次男(19歳)と私の3人暮らしです。
親元である地元にいる時も、山形へ来てからも、
振り返ると、家事育児を一手に引き受けるワンオペ育児といった状況でした。
その後、子育て支援施設のスタッフとして働き丸2年になります。
育児に悩める親子が笑顔になるための情報提供、相談やイベント開催を行っています。
「育児に悩む親子に寄り添いたい」
「私が生まれ育った環境への恩返しがしたい」
そんな強い思いがありました。
3世代同居の自営業の家に生まれ、忙しく立ち働き、
趣味や余暇を楽しむ余裕のない家庭の中、
親戚や地域の方に良くお世話になりました。
学校行事やイベントごとは家族以外の誰かと一緒です。
そうして私は「子どもが幼い頃は専業主婦でいたい」
「家族一緒に趣味や余暇で休日を楽しむ、温かい家庭を築きたい」
とばかりに理想だけがどんどん膨らんでいきました。

「育児」をテーマにした体験会の中で、
今までの自分の育児に漠然とした後悔を感じていました。
長男が幼稚園に通っていた頃、
ささいな事に腹を立て、彼を叩いてしまった場面が思い出されました。
自己嫌悪や自分責めの気持ちでいたたまれず、
絶対してはいけないことをしたダメな母親だと申し訳ない思いでした。
信頼しているセラピストの誘導で、勇気を出してその感情を感じてゆくと、
イメージの中で「ごめんね。本当にごめんなさい…」と何度も詫びていました。

すると、心臓がドクンと鳴り違う場面が思い出されました。
私が幼い頃、忙しく立ち働く家族に話しかけた時、
その返事は祖父の「げんこつ」でした。
(※げんこつ…昭和はイタズラしたりするとこれでした💦)
声を抑えて静かに泣く私に、大人になった私が話しかけていくと、
「抱きしめて欲しい」「話を聞いて欲しい」と言います。
優しく抱きしめながらゆっくり聞いていくと、
「痛かった、悲しかった、辛かった…」
「大人は守ってくれなかった」とも訴え、
思いを吐き出しきると満面の笑顔になり、
強く大きな光となり、私の胸の中へ広がって行きました。
その温かさから「あなたは愛の存在だよ」と体感できました。
家族という大切な存在から理不尽な返答をもらい、
「自分は愛されていない、大事な存在ではない」という
思いを強めていったことへの答えに聞こえました。
イメージの中で、どうして今までその思いを抱えていたのか問うと、
「生きていくために、そうするしか仕方なかった」と感じました。
そうだったのかと、今までのワンオペ育児が腑に落ちました![]()

そうするしか仕方なかったとは…
「仕事をしている人の邪魔をしてはいけない」
「仕事をしている人に話しかけ怒られるのが恐い」
「仕事をしている人に出来る限り協力しよう」
「仕事をしている人を助けたい」
と思い込んでいたようです。
そうして私は、家族を困らせないようにできるだけ、
職場や家庭での仕事や家事を率先してやり、
みんなの喜ぶ良い子を無意識に演じていきました。
他人にばかり合わせて自分を優先できず、心のバランスを失っていったのです。
セラピー直後、胸にぽっかり温かな空間が出来たように感じていました。
本当に安心してリラックスした思いが満タンです。
長男への思いを振り返ると、私は十分に息子と関わってきて、
マイナスもあったけれど、プラスのふれあいも沢山してきたと自分を認められました。
また、祖父への思いを振り返ってみると、
戦後に1代で自営業を立ち上げ、家族以外の親戚までをも潤してきた、
バイタリティー溢れる頼もしい祖父との思いが強くなりました。
その原動力は、愛であったとあらためて尊敬しています。

それは、長年の謎が解けたかのような発見でした。
実は思いもしない形で、現在の結婚生活にも大きな影響を与えていたのです。
私の夫は仕事中毒と趣味人を足して2で割らないタイプと思っていました。
それを分かったうえで、尊敬もし支えていきたいと思い結婚していたのです。
しかし、結婚生活のフタを開けてみると、家庭を顧みず仕事に没頭、
何より自分の趣味の時間を大切にし「育児は任せてある!」と断言するほどの割り切りぶりでした。
まさに、私の思い込み通りの理想の人とめでたく結婚していたのです。
感情セラピーと出会い、夫との間に生じる問題を扱ってから1年になり、
私の我慢、あきらめと感情の爆発を繰り返していたその関係性は、自然と良好になってきています。
今回のセッションでは、今までのネガティブに感じた夫の言動の中に、
自分や家族への思いを再発見できています。
不器用で言葉にはなかなかしてくれないけれど、
夫は夫なりに、行動で表現してくれていたと思えます。
以前から、「言ってくれれば、出来ることはするから」と、
多忙と見えていた中に、確かに私に伝えてくれていました。
そんな言葉は私の心には届かず、
その手を取れなかったのは、認めたくないけれど私の遠慮や思い込みでした。
結婚や育児を通して様々な葛藤がありましたが、
それらを、今までの頭で考え乗り越えてきたのと違い、
感情と向き合い癒していくと、人生が好転し自然と流れていくのを感じます。

私の仕事への思いも気づきがあり、
親子に寄り添いたいと切に願っていた私は、寄り添って欲しかったのですね。
誰かの力になりたかった私は、誰かに助けて欲しかったのです。
それに気づけた今、他にやってみたい事へ気持ちが前進しています。
日々の生活の中で、自分を犠牲にせず大切にしていくことは、
まさに自分の感情を大切に扱っていくこととイコールと気づきます。
感情セラピーをすることで、過去の辛かった感情には、
私や周囲へのたくさんの愛情が詰まっていて、
まるでオセロゲームの黒が白にパタパタと覆るような体験です。
「だから、私はもう大丈夫」と、自分の道を歩いていけます。
長文となり、お読みいただきありがとうございました。















